自然にまかせて
アゲハチョウの蛹の越冬に挑戦!
2018年の10月も終わるころ、ベランダを眺めていたら一匹のアゲハチョウが山椒の木にやってきました。お尻を葉に付けていたので、もしやと思い急いでカメラを持ってきて撮影すると、思ったとおり卵を産んでいて、葉には黄色い小さな卵が付いていました。
【関連ページ】アゲハチョウの卵から幼虫・蛹・羽化まで! アゲハチョウ(ナミアゲハ)の幼虫の飼育と羽化
アゲハチョウは3月〜10月にかけて3回〜4回ほど産卵します。成虫の寿命は約2週間なので、1匹がその期間に数回産卵するということではなく、3月の卵は6月には成虫になり卵を生み、その卵は9月には成虫になり卵を産みます。そして9月の卵は越冬して翌春に成虫になり、卵を産むというわけです。
つまり、この子が羽化するのは2019年の春。それには越冬する必要があるとともに、冬に向かって山椒の葉は枯れてしまうので、蛹になる前にエサがなくなってしまうという心配も出てきました。
以前、秋〜冬に室内で飼育し羽化したこともありますが、花が咲いていない冬では、せっかく羽化しても外に逃すこともできず、それはそれでかわいそうでした。
そこで、蛹の越冬にも興味があったので、今回は自然の成り行きにまかせ、そのまま外で飼育することにしました。エサの問題も自然まかせ。幼虫の姿で越冬はできないでしょうから、エサがなくなる前に蛹になれればいいのですが。
卵はその後にも産み付けられていたようで、気がつくと小さな幼虫が4匹ほどになりました。しかしだんだんと葉は枯れ、それとともに1匹、また1匹といなくなりました。動きは鈍くなりますが、寒い中でも幼虫は生きていたので、エサさえあれば蛹になれるのかもしれません。結局、なんとか蛹になれたのは1匹だけ、卵が産み付けられてから約2ヵ月ほど経った12月24日(月・振)でした。
しかしだんだんと餌がなくなる中、いつもと比べると小ぶりな幼虫で、蛹になる前に木から落ちていたり、なんとかギリギリ蛹になれたという感じでした。自然界でも、たくさんの幼虫が間に合わずに死んでしまっているんでしょうね。
蛹の色は保護色のようにまわりの色に合わせるので、今の蛹は角度によっては木の枝そのもののような色。本来は10日〜2週間程度で羽化しますが、越冬の場合は長いと5ヵ月ほど蛹の状態でいることもあるようです。この蛹は2019年2月末現在、蛹になってから2ヵ月ほど。少なくともあと1ヵ月くらいは蛹でいないと、羽化しても食べ物がなさそうです。
春先に見るチョウの多くが、このように越冬を経て成虫になっています。アゲハチョウやモンシロチョウは蛹で、卵や幼虫、なかには成虫の姿で冬眠するかのように越冬する種類もいるそうです。チョウにとって越冬は文字通り生死をかけたもの。春にチョウチョを見かけたら、「がんばったんだね」と声をかけてあげたくなりますね。
さて、うちのアゲハチョウは無事羽化できるでしょうか? どうなるでしょうね。続きます(2019年2月24日[日])。
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