2005年に開催された「愛・地球博」(185日間)で展示され、約700万人(総来場者2,200万人)が目撃した『ユカギルマンモス』(頭部冷凍標本)が14年の時を経て再来日!
今にも動き出しそう!
数万年前の古生物が大集合!
2019年6月7日(金)から日本科学未来館で企画展「マンモス展」-その『生命』は蘇るのか- が開催! 前日に行なわれたプレス内覧会に行ってきました!
マンモスをはじめ近年発掘された古代仔ウマなど世界初公開を含む数々の古生物の冷凍標本が展示されているのですが、驚くべきはその生々しさ! “世界にひとつだけの鼻” と言われるケナガマンモスの鼻は今にも動き出しそうなほど、そして古代仔ウマはとてもかわいらしい表情で、こちらに語りかけてくるかのようです。
同企画展についての説明をしてくれた、写真左より、生命科学の監修を務めた近畿大学大学院部長/生物理工学部の松本和也教授、展覧会展示構成監修いとうせいこう氏、ロシア連邦 サハ共和国「マンモスミュージアム」セミヨン・グレゴリエフ館長、古生物学の監修を務めた野尻湖ナウマンゾウ博物館 近藤洋一館長
ユカギルマンモスも皮膚やシワの様子、質感もよく見ることができ、展示している冷凍標本が2万年、4万年前に亡くなった動物とは、にわかには信じられません。先日インタビューさせていただいた、同展の古生物の監修を務めた近藤洋一先生もおっしゃっていましたが、「古生物を現生生物と同じ手法で研究できる」ということも実感できます。
マンモスについて解説してくれた近藤洋一館長。マンモスは大きいので3.5メートル。この骨格は3メートルくらいだそう。しかし骨からだけではマンモスが寒冷地に住んでいたことや、なぜ絶滅に至ったかは読み取れない。普段発掘している野尻湖ではナウマンゾウの骨しか出てこないが、サハ共和国の永久凍土からは同じ時代の生物でも生身のある状態で出てくることに、非常に興奮したそう。冷凍マンモスの研究でいろいろなことがわかってくるかもしれない
2018年8月にフジテレビとの合同調査を行ない、4万年前の古代仔ウマを発掘。マンモスの鼻も発見し、液体の血液が発見されたのは世界でもこの2体のみ。そのどちらも今回のマンモス展で公開していると、セミヨン・グレゴリエフ館長。古代仔ウマはフジテレビにちなみ「フジ」と名付けた。「フジ」の上にはマンモスの皮膚が展示されているが、哺乳類の皮膚はクローンをつくるのに非常に適した素材だそう。これだけ新鮮な皮膚があるということは、「私たちが生きているうちにマンモスのクローン化は実現するのではないかと期待を持たせてくれる」とグレゴリエフ館長
マンモス復活への新たなステップ
マンモスの細胞をつくりだす “合成生物学”
同展はマンモスをはじめ、世界初公開を含む数々の古生物の冷凍標本が大きな見どころのひとつですが、「マンモス復活」ももうひとつの大きな見どころです。
20年以上も「マンモス復活プロジェクト」の研究を続けている近畿大学は2019年3月11日(月)、永久凍土から発掘された2万8,000年前のマンモス「YUKA」の細胞核が、他生物の細胞の中で生物学的活性を示したという論文を発表しました。
マンモスの復活はクローン技術から次のステップとなる「合成生物学」へ行こうとしている。それは100年、150年というスパンでのマンモス復活を考えている。生命とは何か。人間が持っている「生命を知りたい」という要求に対してマンモスをターゲットに研究グループをつくった。今の最先端の生命科学はひとりですべての研究はできないためグループをつくりプロジェクトを進めていくのが基本。このような我々の研究を見ていただき、若い人たちが魅力を感じ、将来、生命科学の研究者になりたいと思ってもらえれば嬉しい
同展では、この論文のデータが、どのような研究を経て導き出されたかを、劇画タッチの漫画で紹介。20年以上にわたるマンモス復活に関する研究の集大成も展示されています。
さらにマンモス復活は今後、マンモスの細胞を人工的につくり出す “合成生物学” の方向に行くと思われますが、そのアイデアについても紹介しています。
もちろん、絶滅した動物を復活させることは倫理的な問題や生態系への影響なども考えられます。我々は生命をどのように扱うべきか、そして私たちはどのような未来をつくるべきなのか、一人ひとりに問いかけられています。ここはぜひ家族で考えてみて欲しいですね。
開催は2019年11月4日(月・休)まで。絶滅してしまったマンモスを、骨だけではなく、実際に目にできる貴重な機会。その大きさ、迫力、生々しさを、ぜひ体験してみてください!
マンモス絶滅の原因や復活について自分なりに研究すれば、夏休みの自由研究にもなりそうですよ。
【開催概要】企画展「マンモス展」-その『生命』は蘇るのか- 2019年6月7日(金)〜11月4日(月・休)まで日本科学未来館で開催!
【インタビュー!】企画展「マンモス展」-その『生命』は蘇るのか- 古生物学監修、野尻湖ナウマンゾウ博物館 館長 近藤洋一先生インタビュー!「マンモス展」の見どころ、マンモス絶滅の原因とは!
会場入口で出迎えてくれるのは、38年ぶりの来日となる、1977年に永久凍土から発掘された約4万年前の仔ケナガマンモスの「ディーマ」
マンモス、そしてマンモスと同じ時代を生きた動物「マンモス動物群」の骨格標本などを展示しているコーナー
ここでは極寒の環境からマンモスを守っていたマンモスの毛に触れることができます。長いものでは1メートル以上にもなり、けっこう硬い!
マンモスの牙は最長4.5メートル、重さ100キログラムにもなるそう
マンモスと一緒にいた動物たち「マンモス動物群」を紹介。非常に重要なのが、このケサイ
ステップバイソン
ホラアナライオンの復元像と頭骨
約4万2,000年前の古代仔ウマ「フジ」の冷凍標本と、上はケナガマンモスの皮膚。約3万1,150年も経っているのに保存状態がとてもよく、まだ弾力も残っているそう。お尻から後ろ足にかけての皮膚。世界初公開
よく見ると、とてもかわいらしい顔をしている「フジ」。“レナウマ” という種で氷河にシベリアに住み、約2,000年前に絶滅したそう。現在、野生の馬はほとんどいないため、馬の進化を解明するには非常に重要な資料となる。馬の進化、馬の家畜化に関するデータが得られるのではないか。また「生きた細胞を発見してクローン化したいと思っている」と、セミヨン・グレゴリエフ館長
マンモスと共存していたユカギルバイソン
人間に飼いならされた人類最初期のペットだった可能性がある、約1万2,450年前の子イヌ。生後3ヵ月ほどだそう
約1,600年前のライチョウ
今にも動き出しそう! ハート型がかわいいケナガマンモスの鼻。2013年にマールイ・リャホフスキー島で発見され、今回が世界初展示
鼻には骨がないので切れて何処かに流されたり、動物に食べられたりするので、ほとんど見つかることがないそう。65歳〜70歳くらいのメスのマンモスのもの
近畿大学の「マンモス復活プロジェクト」を、サッカーチームに例えて漫画でわかりやすく紹介!
山縣一夫准教授自らが再現した研究室では、「マンモス復活プロジェクト」の研究でも使われている最新の研究機材や研究ノートなどを展示
100年後、150年後、このようにマンモスを復活させることができるでしょうか?
2005年に開催された「愛・地球博」(185日間)で展示され、約700万人(総来場者2,200万人)が目撃した『ユカギルマンモス』(頭部冷凍標本)が14年の時を経て再来日! マンモスの大きな特徴のひとつ、湾曲した大きな牙がすごい迫力。かなり高齢のオスのマンモス
今いるゾウと比べて耳がとても小さいのは、極寒の地で体温を逃がさないため。皮膚をよく見ることができ、これが約1万7,800年前とは信じられないほどの生々しさ。ぜひ直に目で見てほしい!
撮影に協力してくれたお子さんたち。ありがとう!
from キッズイベント
http://bit.ly/2wGJ4p8
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