映画レビュー:AI崩壊

『キングダム』の大沢たかお主演、大ヒットを記録した映画『22年目の告白 -私が殺人犯です- 』の入江悠監督がタッグを組んだ『AI崩壊』が、2020年1月31日(金)全国公開!AIが人間の価値を選別して殺戮する近未来サスペンス超大作!2020年1月31日(金)全国ロードショー!
AI崩壊

2020年/日本/カラー
監督:脚本:入江悠(『22年目の告白―私が殺人犯ですー』)
出演:大沢たかお、賀来賢人、岩田剛典、広瀬アリス、髙嶋政宏、芦名星、玉城ティナ、余 貴美子、松嶋菜々子、三浦友和
配給:ワーナー・ブラザース映画
©2019映画「AI崩壊」製作委員会

【映画紹介・予告動画】AI崩壊

鑑賞日:2019年12月20日(金)
TEXT:キッズイベント 高木秀明

AIはすでに人間を超えている
進化するAIは人類の弱点も見抜く

シンギュラリティ” という言葉が広まって久しい。本来の意味は少々異なるが、一般的にはAI人工知能)が人間の知性を超えることと捉えられている。しかしすでに人間が敵わないことは多い。日々恩恵にあずかって暮らしている。

空港や電車、携帯電話会社のコンピュータに大規模なシステム障害が起こることがあるが、大部分の人たちは復旧するのを待つ以外、なす術がない。そしてその障害が企業をまたいでいっせいに起こされると考えると、その恐ろしさは想像にたやすい。今後普及する自動運転車も外部からのハッキングが危惧されている。




余談だがAIが人類を滅亡させる場合、実際には『ターミネーター』のように人類と戦争するような効率の悪いこと、これ以上、大きく地球を傷つけるようなことはしないだろう。ライフラインを止めればパニックと争いが起こり、多くは勝手に自滅していく。「我こそは」「自分だけは」、人類を知り尽くしたAIは、人類の身勝手な部分を少し “くすぐる” だけでいいはずだ。20200131_movie_AI_houkai_07

AIが人間の価値を選別して殺戮!
近未来サスペンス超大作!

映画『AI崩壊』の舞台は10年後の2030年、少子高齢化、格差社会が進み国家として崩壊寸前の日本。天才科学者の桐生浩介(大沢たかお)が亡き妻・望(松嶋菜々子)のために開発した医療AI <のぞみ>は、全国民の個人情報、健康を管理し、人々の生活に欠かせないインフラとなっていた。

そんな “人に寄り添う” はずの<のぞみ>が突如暴走し、年齢、年収、家族構成、病歴、犯罪歴等から人間の生きる価値をはじき出し、価値がないと判断した者を死に追いやろうとする。

日本中がパニックにおちいる中、<のぞみ>を暴走させたテロリストに断定されたのは開発者の桐生だった。警察は日本中に張り巡らせたAI監視網で、逃亡者となった桐生を追い詰める。

AIはなぜ暴走したのか? そして暴走は止められるのか? 決死の逃亡劇は衝撃の結末へと進んでいく!20200131_movie_AI_houkai_09

AIは人間を幸せにするか?
子どもと一緒に考えてみて

AIが健康を管理してくれたり、自動車事故を激減してくれたり、人類が安全に暮らせるサポートをしてくれるのは、本当に望ましいことだ。しかし、そのAIをつくるのは(まだしばらくの間は)人間。どのように利用していくかは開発者や開発チーム、そして彼らのトップの倫理観、人間性に負うところが大きい。

しかし今の国や企業のリーダーからは、自分や自分の仲間のみが利益を得ることしか考えていない姿が散見される。自らがその地位を去った後、もしくは亡き後、次世代がより良い生活をおくれることを本当に考えているかは疑わしい。結局、AIが本当の意味での知性を持ち自らの基準で判断を下せるようになるまでは、恐ろしいのはAIではなく、自分勝手な人間に他ならない。

好むと好まざるに関わらず、世界はこの映画のような社会になる方向で進んでいる。あらゆるところにカメラが設置され、ひとたびターゲットとなれば顔認証ですぐさま居場所がわかってしまう。さらには不審な行動を起こそうとするだけでAIに察知されてしまう(AIカメラが万引きの前兆を捉える技術がある)。これを安全と思うか不快と感じるか。

すでに顔認証が広まりつつある中国では、「悪いことをしなければ安全だから良い」と、若い人はそれほど抵抗がないそうだ。その人が信用に足る人物か、AIによる “信用スコア” で人間を格付け(人間選別)することもすでにはじまり、今後、貧富の二極化もさらに進むことだろう。

地球温暖化も、2030年までに世界の気温が産業革命前の水準より1.5度上昇してしまうかどうかで、その後の人類の運命が大きく変わる。AIなどのテクノロジーをどのように活用していくか、利他的に考えられるか、この10年は大きな分れ目となる期間だ。20200131_movie_AI_houkai_08

本作は活躍の場を海外にも広げている大沢たかおさんをはじめ、今大人気の賀来賢人さん、岩田剛典さん、広瀬アリスさん、そして昔ながらの刑事の “勘” で活躍する三浦友和さんなど豪華な出演者によるサスペンスフルな逃亡劇。小学生高学年くらいならある程度内容も理解でき、ハラハラしながら最後まで楽しめるはずだ。

劇中で開発者の桐生は「AIは人間を幸せにしますか?」と質問される。この答えを、ぜひ子どもと一緒に考えてみてほしい。そして2030年に向け、弱者に、地球に優しい社会を一緒につくっていきたいものだ。

【映画紹介】『AI崩壊』2020年1月31日(金)全国ロードショー!20200131_movie_AI_houkai_05

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