2分の1の魔法
2020年／アメリカ／カラー
監督：ダン・スキャンロン（『モンスターズ・ユニバーシティ』監督）
キャスト：トム・ホランド、クリス・プラット
配給：ウォルト・ディズニー・ジャパン
©2019 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
鑑賞日：2020年2月18日（火）
TEXT：キッズイベント 高木秀明
※ディズニーより『2分の1の魔法』の試写会に招待されて視聴。
魔法で復活した亡き父は下半身だけ！
感動と冒険のファンタジーアドベンチャー！
2018年に公開し大ヒットを記録したディズニー／ピクサーの『リメンバー・ミー』がテレビで初放送された。すでに何度も観ているけれど、やはり泣いてしまった。最新作の『2分の1の魔法』も、いやがうえにも期待が高まる。
便利になったが故に失った能力はたくさんある。もしかしたら “魔法” もその一つなのかもしれない。『2分の1の魔法』は、テクノロジーの便利さによって魔法が失われつつある世界を舞台に、魔法で亡き父を復活するべく奮闘する兄弟の物語。
主人公の少年イアンは家族想いで優しいが、何をやっても上手くいかず自分に自信がない。そんなイアンの願いは、大胆な性格だったという、彼が生まれる前に亡くなった父に一目会うこと。
16歳の誕生日、父が母に託した魔法の杖と手紙が贈られる。そこに記されていたのは「父を24時間だけ蘇らせる魔法」。しかし魔法に失敗し、復活したのは父の下半身だけだった。
イアンは魔法オタクの兄バーリーとともに、父を完全に蘇らせる魔法を探す旅に出る！ 果たして彼らは父に会えるのか！？
自信をつけるにはどうしたらいい？
きっかけがあれば、誰もが踏み出せる
「人間の悩みはすべて対人関係」と言ったのは、心理学の三大巨頭のひとりアルフレッド・アドラーだ。“自信がない” というのも、「人と比べてうまくできないから」「人とうまくコミュニケーションできないから」という対人関係だろう。だからそれができるようになれば、自信はついてくる。問題は、どうすれば “できるようになるか” ということだが、イアンはそれをわかりやすく体現してくれている。
そしてあらゆる場面でイアンの背中を押しているのが、兄のバーリー。空気を読まない無神経に思われる人物だが、常にイアンのことを想っている。一人っ子なので兄弟の絆については想像するしかないのだが、親子とも友だちとも異なる、助けあえる存在がいることを、羨ましく思うこともある。
『2分の1の魔法』の原題は「Onward」で、「前進」や「向上」と訳すことができる。イアンはバーリーに背中を押されることで「Onward」していくのだ。
バーリーはその性格からまわりからは浮いていて、多くの人にあまり正しく理解されていない。そして、イアンにはあってバーリーにはないものも露わになる。その現実は、実はけっこう辛かったのではないかと思うのだが、バーリーについては、もう少し掘り下げてほしかった。
下半身だけの父の存在は楽しく、斬新。ロールプレイングゲームとインディ・ジョーンズ的な冒険も満載で、子どもたちはハラハラしながら物語の世界へと引き込まれるだろう。
アドラーは劣等感（他人との比較ではなく、理想の自分と現実の自分とのギャップ）が力に変わると考えていた。そして「人生はいつでも変えられる」と。自分だけは自分の意思で変えることができる。応援してくれる人がいれば、なおさらだ。
まるで本物の “兄弟” !
志尊淳さん、城田優さんが兄弟役
オリジナル版ではイアンの声を「スパイダーマン」シリーズでスパイダーマンを演じるトム・ホランド、兄のバーリーを「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズ、「ジュラシック・ワールド」シリーズのクリス・プラットが演じている。特にクリス・プラットは驚くほど上手で、2人の掛け合いはとてもよかった。
日本語吹替版は志尊淳さんと城田優さん。普段から家族のように仲が良いそうで、2人の息はぴったり。こちらも期待できそうだ。
ディズニー／ピクサー最新作『2分の1の魔法』は、2020年3月13日（金） 全国ロードショー！
最新映画をネタバレなしで紹介！
映画レビュー トップページへ
from キッズイベント
https://ift.tt/32PYXsJ
コメント
コメントを投稿