公演映像レビュー:BONBON

フレンチポップをテーマに活動している癒し系男⼦グループ「Candy Boy(キャンディーボーイ)」初の舞台公演『BONBON』の公演映像が、2020年5⽉31日(日)までYouTubeで無料配信!『BONBON』を観た感想、舞台レビュー!

2020年5⽉31日(日)まで無料配信!
BONBON

脚本:池田テツヒロ
演出:大関真(劇団SET)
企画:座間隆司
制作:株式会社テレビ朝日ミュージック
主催:Candy Boy事務局

【公演概要】BONBON

鑑賞日:2020年5月21日(木)
TEXT:キッズイベント 高木秀明

エンターテインメントを届けたい!
Candy Boyの願いから配信決定!

フレンチポップをテーマに活動している癒し系男⼦グループ「Candy Boyキャンディーボーイ)」初の舞台公演『BONBON』(2018年9⽉開催)の公演映像が、2020年5⽉31日(日)23:59までの期間限定でCandy Boy公式YouTubeチャンネルで無料配信されている。

新型コロナウイルス感染症拡大防止のため公演活動を中止している間も、Candy Boyのエンターテインメントを届けたいというメンバーの願いから配信が決定したものだ。

Candy Boy公式YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/c/CandyBoy_ch

ナチスから逃れるマキザールが
ホテルでナチスをおもてなし!?

1944年、ナチスドイツ占領下のフランス・グルノーブルに、5人のマキザール(レジスタンス)の若者(アダム、ボリス、カミーユ、シャルル、デュポン)たちが逃れて来た。

たどり着いた先は無人のホテル。従業員たちは戦火を逃れて誰もいない。以前は三ッ星レストランを有する有名ホテルであったが、今では見る影もない。

一夜の休息の場にと思っていたところにナチスの将校(ハイネマン)とその部下(デーゲンハルト、マルコ)たちが現れる。

行き場を失ったマキザールの若者たちは見つかれば殺されてしまう。そこで、ナチスドイツ兵たちを欺く秘策を思いつく。5人はそれぞれシェフ、ベルボーイ、パティシエ、ウェイター、支配人に変装し、あたかもホテルが営業しているかのように振舞うのだった。

しかしそこへ、ピエールとガブリエルという謎の兄弟も現れる。

謎の兄弟の正体は? そして彼らはいつまでドイツ兵を欺き、生きるための活路を見い出すことができるのか?

緊急事態宣言下の今と酷似
新しい時代の幕開けも描く

モニターでの鑑賞とは言え、そこには舞台ならではの緊張感や臨場感がしっかりと感じられた。また映像だからこそ、客席からでは見えにくい演者さんの額に光る汗、視線や表情もよく見ることができる。今のシーン、他の演者さんはどう動いていたかをすぐに戻して確認できるのも、映像のいいところだ。ゆっくり、じっくり、何度でも楽しめる。

物語はホテルの中で巻き起こる。何でも今のコロナに結び付けるのはよくないのかもしれないが、閉ざされた空間での出来事に、つい今の状況を重ねてしまう。ドイツ人、フランス人、ユダヤ人という人種の問題も描かれ、今現実に起っている差別についても思わずにいられない。人種ではなく、一人ひとりの人対人になれば、その人を知っていくことで思い込みは消え、友情や愛が生まれるのに、と。

さらにこの物語は、新しい時代の幕開けをも描いている。この時期に観るには、まさに最適だ。




ハラハラドキドキ、笑いもあって
子どもたちにもおすすめ!

戦争の背景がわからない子どもも、ナチスに見つかると5人のマキザールは殺されてしまう、ということさえわかれば、ナチスを欺くためのハラハラするやりとりや、彼らの葛藤、ところどころに笑いもあって、十分楽しめると思う。ハーブを使った料理やパティシエが活躍することからも、料理やスイーツが好きな子も楽しめるだろう。舞台を観終わって、戦争のところにも興味を持ってくれればなお嬉しい。

舞台のタイトル「BONBON」は、砂糖の殻でフルーツやお酒などを包んだフランスのお菓子。キャンディーの一種で、昔はスーパーマーケットでも「ウィスキーボンボン」というお菓子が売られていた。口の中に入れて固い砂糖の殻を歯で割ると、中から甘いウィスキー(風味の液体だと思う)がトロッと出てきてちょっと苦手だった。懐かしく感じる大人は多いだろう。

劇中でホテル従業員に扮した5人のマキザールは、ナチスに「営業もできないこのホテルに、なぜ今、制服まで着てここにいるのだ?」と問われ、「仕事の腕が鈍らないように」と言い訳をする。常に練習しておかなければ、最高の状態でお客様をお迎えできないのだと。そしてその状況は、まさしく、今のエンタメ業界の方々だろう。SNSに自宅で練習する様子をアップする人もいる。そういう努力が、コロナ収束後に花開くことを願って止まない。

なお最初の暗いシーンは、視聴している環境によっては少し観づらいかもしれない。しかし10分ほどすると明るくなり演者さんの顔もよく見えるようになる。配役はオフィシャルサイトに詳しいが、ホテル従業員に扮した後の5人のマキザールは以下のようになる。

【マキザール】
・アダム:松本ひなた(シェフ)
・ボリス:釣本南(ベルボーイ)
・カミーユ:福留瞬(パティシエ)
・シャルル:川井雅弘(ウェイター)
・デュポン:安孫子宏輔(支配人)

【謎の兄弟】
・ピエール:奥谷知弘
・ガブリエル:堀海登

【ナチス】
・エドワード・ヘンリーハイネマン:久ヶ沢徹(ナチス将校)
・デーゲンハルト:前田大翔(ハイネマンの部下)
・マルコ:山本大智(ハイネマンの部下)

映像でもたっぷり楽しめたが、しばらくすると、やはり舞台が恋しくなる。一瞬も目を離せない緊張感や観客を含めての一体感、それを丸ごと感じたくなる。

舞台を心置きなく観に行けるようになるには、もうしばらくかかりそうだ。今は映像を楽しみ、来たるべき日に備えたい。再開後、格別の感動を味わえるように。

Candy Boy 初の舞台公演『BONBON』の公演映像は、2020年5⽉31日(日)23:59まで、Candy Boy公式YouTubeチャンネルで無料配信! 今を楽しめるこの決定にも感謝!

https://www.youtube.com/c/CandyBoy_ch

【公演概要】2020年5⽉31⽇(⽇)までYouTubeで無料配信! Candy Boy初の舞台公演『BONBON』。Candy Boyリーダー 奥⾕知弘さんのコメントも!



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