子どもも大人も楽しめるファミリー映画
オーウェンのお茶目な可愛さをぜひ観て!
ー 完成した映画をご覧になった印象はいかがでしたか?
たくさん笑えて、子どもはもちろん大人も楽しめる物語なんですが、ちゃんとメッセージもあって、とてもおもしろいなと思いました。
【映画紹介・予告動画】2022年1月21日(金)全国公開! でっかくなっちゃった赤い子犬 僕はクリフォード
一番笑ったのはクリフォードをトラックに乗せて、オーウェンとエミリーが子どもなのにクルマを運転しちゃったところ。ハチャメチャだなって(笑)。
一方で大人たちはお店の中にあるお玉やスプーンを使って大ゲンカをしていて、大人なのに子どもみたいなケンカの仕方で、大人と子どものやってることが逆じゃん! といったユーモアも多く、とても楽しい作品だなと思いました。
ー 三森さんは主人公エミリーの同級生のオーウェンという男の子を演じています。個性的なキャラクターですが、どんなところに気をつけて演じられましたか?
オーウェンはとにかく優しくて賢くて、エミリーのことが好きだからかもしれないんですけど、ちょっと背伸びしている感じがすごく可愛いですね。
エミリーは学校で少しいじめられてしまっていて、直接助けてあげているということではありませんが、同じ目線に立って分け隔てなく接しているというのが彼の優しいところだなって思います。
さりげないサポートができる子で、しかも自分の得意分野のときはすごく大人っぽい顔をして、大人ぶりたいんだけど、まだまだ子どもというのがとても可愛くて素敵だったので、そういうお茶目な可愛さを、彼の表情やお芝居にあわせて表現できたらいいなと思って演じました。
ー 可愛くてお茶目なオーウェンですが、成長も描かれています。オーウェンの “ここを見て!” というところを教えてください。
オーウェンの大人ぶっちゃうところがすごく可愛くて。クリフォードに恋愛相談をするんですが、「正直どう思う?」なんて起業家みたいな口ぶりで聞いていて、おませだなって。でも、クリフォードに相談してもわからないのにね(笑)。
ー オーウェン以外で三森さんが気になった登場人物は?
普通は飲まないようなものを飲んでいるおばあちゃんがいるんです。とても活躍するので驚きました。でもそのおばあちゃんだけじゃなく、近所の人たちもみんな個性的でおもしろくて、すごく良かったですね。
大の犬好き。飼っているポメラニアンが
クリフォードと同じ大きさになったら?
ー エミリーとオーウェンは大きくなったクリフォードを手放さないよう奮闘しますが、犬好きの三森さんならどうしますか? クリフォードの体長は3.6メートルです。
うわぁ〜、3.6メートルかぁ。うちには白いポメラニアンがいるんですが、3,6メートルになっちゃったら家では飼えないかなぁ。尻尾をブンブンされたらお家を壊されちゃいますよね。
でも、やっぱり背中に乗ってみたいですよね。あと、すごくフワフワなので、その毛に包まれて寝てみたいです。
ー 犬好きの三森さんにとって、犬はどんな存在ですか?
家族。すごく普通な答えですけど。でも本当に家族で、子犬のときは妹みたいに可愛がっていて、でももう13歳なのでとっくに私の年齢なんか越えておばあちゃんです。「おばあちゃん、ただいま」という感じで接しています。
昔は「遊ぼう遊ぼう!」という感じでしたが、最近はいつもお気に入りのソファの定位置に寝っ転がっていて、久しぶりに会っても横目でチラッと見るくらい。でもソファに座ると寄ってきてお尻をくっつけて寝るんです。かわいいですね。おばあちゃんだけどかわいい。憎めない。だから大きくなっても愛せると思いますし、1回ちょっと見てみたいかな。おばあちゃんであんまり動かないから、もしかしたら大きくなってもあんまり問題ないかもしれない。
自分が “イケてない” と思ったら
他人とは比べず、ぐうたらして幸せを感じる
ー 子どもも大人も楽しめて、子どもたちの心にも響く作品だと感じています。この映画で子どもたちにはどんなことを伝えたいですか? 観て欲しいところは?
「他の子の個性を素晴らしいと認めてあげること」かなと思っています。クリフォードは大きくて赤くて普通の犬とはちょっと違うし、エミリーはいじめられているし、オーウェンもアジア系の男の子で人種の問題があって、でもお互いの個性を認め、大切に思うことで素敵な世界になるんですよね。
観て欲しいところは、このドタバタ劇ですね。町の人たちがみんなで協力してクリフォードを悪い人から逃がそうとするんですが、わちゃわちゃドタバタやっているのが、すごくスピード感もあって観ているだけで笑っちゃうと思います。
ー 主人公のエミリーも、自分の考えをしっかり言うようになります。今、三森さんが主張したいことは?
InstagramなどのSNSを見ていると、みんなの生活がキラキラして引け目を感じてしまうことがあります。でも冷静に考えると、自分の生活もそれはそれで素晴らしいものだなと思うんです。
私の友だちにもSNSを見て落ち込んでいる子がいますが、でも私から見ればその友だちの生活も楽しそうなんです。だから私も友だちもキラキラした部分を切り取って見せるのが下手なだけで、自分の人生を楽しんでいれば、人と比べて引け目を感じてしまうことはないんじゃないかな。「ポジティブに生きた方が人生お得!」というのを主張したいですね。
ー それでも落ち込んでしまったときの対処法は?
人と比べて “イケてないな” と思ったときは、SNSやスマートフォン自体を見ないようにします。その代わりに家族と会話をしたり、好きなドラマや映画を観て、美味しいものを食べて、「6時間もずっと横になってテレビドラマを観てぐうたらしているけど、私幸せだな〜」って。小さなことでも自分が満たされていくことが大事かなと思っています。
自分を軸にすると意外とすごい幸せなのに、隣に他人の軸が出てくると比較していろいろと考えちゃうんですよね。比較対象があると、ダラダラせず働かないと、とか思っちゃって。でも「私、がんばっているもんな」って自分で自分を褒めてあげて、好きなものを食べてゴロゴロして幸せを感じるようにします。
ー 続編の制作が早くも決定しました。オーウェンにどんな活躍をさせてあげたいですか?
実写なのでオーウェンの背も伸びて、ちょっと大人になっていると思うので、今はつぼみというかタネを植えたくらいのエミリーとの恋が、ちょっと芽が出たり、2人の間でキュンとすることがあったらおもしろいなと思います。クリフォードがキューピッド役になったりして。
もしくはケイシーおじさんにラブな何かがあって、クリフォードたちがみんなでサポートして、「ケイシーおじさん結婚大作戦!」みたいなのもいいですね。あんなハチャメチャなおじさんをもらってくれる人がいるのでしょうか、という感じですけど(笑)。
子供時代はいろいろなことに興味を
さまざまな体験が声優という仕事にも活かされる
ー 声優は小中学生にとても人気のある、憧れのお仕事です。三森さんはミュージカルや舞台で活動されてから声優になられていますが、声優をめざしている子どもたちにアドバイスをいただけますか。
最初から声優一本でやっていくと決めていたわけではなく、舞台をやったりダンスをしたり、遠回りみたいな感じで最終的に声優に行き着いたんですが、逆にそれが良かったなと思う点がたくさんあります。声のお芝居だけじゃなくて歌って踊ってライブする仕事もたくさんあって、結果的に今までの経験が活かされているなと思っています。
これからの声優さんって、それが当たり前になってくるんじゃないかと思っています。声のお芝居一本という方もいらっしゃるとは思いますが、キャラククターソング(キャラソン)を歌ったりすることは本当に多いので、アニメを観る情熱はたくさん持っていていただきたいのですが、自分にはどんな特技があるかとか、こんなことをしてみたいとか、声優とは一見関係なさそうなものにも挑戦してみるとか、声優という仕事とは異なるところにも目を向けてほしいと思います。
一本に絞ることも信念があって素晴らしいですが、せっかくの子供時代はいろいろなことに興味を持ったり、体験をしてもらえればなと思います。
ー ミュージカル、舞台がすごく役に立ったとおっしゃっていましたが、小学生くらいのときにやっていて、声優という仕事に役立ってるなと思うものはありますか?
バレエですね。小学生のときはずっと習っていたので。ライブなどでキャラソンを歌うときに手に振りが付いていることがあって、手先がきれいに出せるのはバレエをやっていたからかなって思います。
ー ミュージカルでも活躍されていましたが、声をかけられて声優になり、すぐに脚光を浴びます。順風満帆に思える活躍ですが、つまずいたり、思うようにいかなかったことはありますか? 諦めずに続けられたのはなぜですか?
辞めようと思ったことはありませんが、舞台をやっていたときは全身全霊をかけて体を動かしてお芝居をしたり、歌ったり踊ったりして、それをお客さんに見てもらえていました。しかし声優になった途端にその演技力をすべて声だけで表現しなきゃいけなくなり、絵にあわせて自分の声をいかにお芝居にのせられるかが本当に難しくて。自分では悲しそうな表情と動きでマイクの前で演じているのに、声だけを聞くと全然悲しそうじゃなくて、最初はそれが本当にジレンマというか、「どうしたらいいんだろう?」という感じでしたね。
ー それはどうやって克服したんですか?
自分の出ている作品のオンエアを怖がらずに観ることですね。最初は怖くて観られなかったんですけど、観てみると、あのときにやったつもりのお芝居と全然違う感じになっていることに気が付いて、もっとこうしよう、ああしようと試行錯誤したり、私は声優養成所には通っていなかったので、他の声優の方のお芝居を見て学んでいました。最初の頃はけっこう必死でしたね。
ー 声優以外にも歌手、舞台と、さまざまなことに挑戦しています。今後やっていきたいこと、夢を教えてください。
声優と同時進行で年に1〜2本ほど舞台もやっていて、今はそのバランスがとても居心地がいいんです。自分のやりたかった舞台もできて、声優もできて、しかも年齢を重ねるに連れて役の幅が広がっていくことも実感しています。自分と同世代の30代くらいのお母さん役を演じながら、ときどきアニメやゲームで10代の若い子の役もやったり、それが声優の醍醐味だと思っています。
実年齢だからこそできる役を舞台でやり、若い役や動物が喋るような役、実際にはありえないような、ちょっと非現実的な役を声優でやるというバランスで、おばあちゃんになるまで続けていきたいなと思っています。
映画『でっかくなっちゃった赤い子犬 僕はクリフォード』は、2022年1月21日(金)から全国公開!
三森すずこ
声優、歌手、女優。ミュージカルで活動したのち、2010年アニメ『探偵オペラ ミルキィホームズ』のメインキャラクター、シャーロック・シェリンフォード役で声優デビュー。以降、同シリーズや『神様はじめました』『ラブライブ!』などの人気作で主要キャラクターを演じる。さらに『ミルキィホームズ』では出演声優からなる同名ユニット、『ラブライブ!』では劇中ユニット「μ’s」の一員として活躍し、2015年「μ’s」のメンバーとしてNHK紅白歌合戦への出演を果たす。2019年、9thシングル「チャンス!」をリリース。2020年、Mimori Suzuko Live 2020「mimokokoromo」を開催。2021年、三森すずこ主演舞台「擾乱 THE PRINCESS OF SNOW AND BLOOD」を上演。声優、歌手、女優として多方面で活躍中。
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