今もっともアツいサッカー漫画がテレビアニメ化!
オーディションで主役を勝ちとるも、このままじゃダメ
ー いよいよ4月9日(土)から放送がスタートします。まだ完成した映像はご覧になっていないそうですが、どんな仕上がりになっていると思いますか?
アフレコのときの映像は多くがまだ完全ではなかったんですが、序盤のところはほぼできあがっていて、すごいきれいだったんです。サッカーの試合のところも絵がよく動いていて、アシトにはグラウンド全体を俯瞰的に見る能力があるんですが、アニメにすると「あっ! こうなるんだ!」ってとても驚いたので、完成した映像を早く観たいですね。
ー『アオアシ』が初主演となります。どのようにして役をつかむことができたのでしょうか? 決定したときの気持ちも教えてください。
オーディションです。最初はテープオーディションでアシトと黒田という役も受けました。次にスタッフの方がいる中でのスタジオオーディションをアシト役で受けました。
スタジオオーディションが終わったら悔悔の気持ちが大きくなってきて、お芝居の感じはそんなに間違っていないと思いましたが、緊張しすぎて力をすべて発揮できなかったので、そこが不安というか。あそこはもっとこうすればよかったとか、複雑な気持ちでした。
結果が出るまでは1週間くらいあって、「大丈夫かな、大丈夫かな」っていう気持ちをずっと抱えていたので、マネージャーさんから「アシトに決まったよ!」と電話があったときは、めちゃめちゃ嬉しいのと同じくらい、「はぁー よかったー」って力が抜けました。
でも、すぐに責任感というか、このままじゃまだまだダメだなと思って、アフレコまではある程度の時間があったので、この期間にどうにかしてアシトに近づけるようにと、アシトの故郷 愛媛に行ったり、サッカーについての知識が足りないと思ったのでサッカーに詳しい友だちと一緒に試合を観に行ったり、テレビでもJリーグをよく観るようにしていました。
すごい人たちを目の当たりにして心が折れる
そんな環境にいるのはアシトと似ている
ー 原作のファンもたくさんいる作品です。アシトを演じるうえで大切にしていることは?
“泥臭さ” がすごく素敵な作品で、特にアシトはそれを全開で表現しているので、“泥臭さ” は常に頭の上に置いていました。あとはアシトの “まっすぐさ” とか “情熱” とか、とにかくサッカーが好きで “がむしゃらにがんばる” ところは、オーディションのときからずっと意識していて、そのベースは変えずに演じています。
またアフレコで音響監督のはたしょう二さんから「今の状態にプラスでアシトの荒さとか大雑把なところ、がさつなところをもっと入れていけたらいいね」とおっしゃっていただいたので、そういう我の強さとかエゴの部分も意識して演じていますが、監督のさとう陽さんからは「大鈴君が思うままにやってくれたら、それがアシトだから」ともおっしゃっていただけたので、いろいろと意識はしつつも、あまり深く考えすぎないようにとも思っています。
ー アシトのがむしゃらさとか熱さを演じるのは、声も大変そうですね。
少し “がなる” 感じなので、1話の収録のときは声の出し方が自分の中でもまだ曖昧で、何回かリテイクをさせていただく中で最後の方は少し声が枯れかけてしまいました。でも2話以降は「あ、こう出せばちゃんとアシトの声になる」というのがわかって、無理せず声を出せるようになりました。
ー アシトと大鈴さんの似ているところ違うところ、アシトから学んだことはありますか?
境遇は似てるかなと感じています。アシトはユースに入ってまわりのすごい選手たちを目の当たりにして心が折れかけますが、「自分はまだまだこんなもんなんだと」今の自分のレベルを認め、そこから成長していきます。
僕も現場に入らせていただいて、すごい声優さんたちと一緒に掛け合いをさせていただく中で、やっぱり先輩たちって本当にすごくて、レベルの差を痛感してばかりです。でもアシトががんばっているんだから僕もがんばろうと思って取り組んでいます。とてものびのびとやらせていただける現場なので、自分のやりたいように、後悔しないように、そういうところはユースに入ったアシトと似ているのかなと思っています。
違うところで言うと、アシトはスイッチが入ると相手の迷惑を顧みない我の強さがありますが、僕はけっこう空気を読んで遠慮しちゃったりするタイプなので、そこはアシトに憧れというか、あんなふうに生きられたらすごいなと思っています。なので、アシトを演じてるときはそういう自分になれて楽しく感じますね(笑)。
ー 先ほど声優の先輩方のレベルがすごいとおっしゃっていましたが、どのようなところにすごさを感じるのでしょうか?
このキャラクターのこのセリフは、“こういう言い方” だなというのを、まったく違う方向から演じられたり、こちらの想像をさらにパワーアップして演じられたり、そういう発想力とか引き出しの多さがすごいですね。また、めちゃめちゃ大笑いしたり泣きじゃくるシーンなどで、キャラクターの動きにぴったりはまるお芝居をされるので、自分に同じことができるか、技術的にもすごいなと感じています。スタジオでみんなに気を配ったり、いろいろと話を振ってくださったり立ち振る舞いも素晴らしくて、人としても尊敬できる方ばっかりですね。
自分で “考える” ことに意味がある
考えて自分で見つけた答えは一生忘れない
ー アシトの指導者でありユースの福田監督は、常に選手に “考える” よう指導し、“考える” ことをとても大切にしている作品です。この作品に出会って、声優においても “考える” ことをより意識されるようになりましたか?
声優に限らずですが、何に対しても “考える” って大事なんだなって、この作品の原作を読んで改めて実感しました。また声優の仕事では、今までこんなに長い時間ひとりのキャラクターと向き合ったことがなかったので、アシトのセリフの裏にどんな気持ちがあるのかとか、作品全体を通してこの場面では何を伝えようとしているのかなど、作品の裏の部分まで考えるようになりました。
アシトってこういうふうに見えるけど、心の中ではこうなんだなとか、原作を1回読んだだけではわからない部分も、“考える” ことでアシトの気持ちをつかんでいった感じはありました。
ー ユースセレクションで福田監督は、集まった受験生に対して合格するのはかなり難しいと告げています。声優もかなり狭き門ですよね?
ユースというものをよく知らなかったので、試合の映像を観たりして改めて調べたんです。そうしたらもうみんなプロになれるんじゃないかってくらい迫力があって。そこにいるだけでもうめちゃくちゃすごいんですが、そこからプロになれるのはひと握りなんです。ユースだけではなく高校生や大学生からプロになった方もたくさんいらっしゃいますが、本当にスポーツ選手ってすごいなと感じました。
声優も、養成所から事務所に所属してプロになるのは、倍率も高いですし大変です。でもプロになったからといって必ずしも活躍できるとは限りません。これはどんな世界でも同じですが。なので、今こうやってお仕事をさせていただけるありがたさを改めて感じていますし、もっともっとがんばらなきゃと思っています。
ー 声優になるにあたって、どのようなことを心がけていたり、積み重ねてきましたか?
養成所では1クラスに20〜30人ほど受講生がいたんですが、まずはそこで一番にならないと絶対に事務所に所属することはできないと思っていました。なので挙手制の場合は必ず手をあげて、そうしないと発表の場すら与えていただけないこともあるので、とにかく一番に手をあげて「やらせてください!」「見てください!」という気持ちでいました。
あと担任の先生が「養成所をレッスンではなくオーディションだと思いなさい」とおっしゃっていて、週1で通っていたので1年間で48回オーディションを受ける気持ちで、1回1回とにかく全力で取り組んでいました。レッスン以外の時間もなるべくお芝居のことを考えて過ごしていましたね。
基礎練習は今も毎日やっていますし、やはり積み重ねることによる準備と、アピールは必要だなと思っています。
趣味、特技、すべての経験が声優という仕事には役立つ
夢に向かう熱量、人間ドラマ、どちらにも注目してほしい
ー 声優は小中学生のなりたい職業の上位です。子どもたちの憧れのお仕事をされていますが、小学生くらいの頃から声優をめざしていたんですか?
音楽の授業で歌を歌うのが好きだったり、国語の授業の朗読がすごい好きで、どちらもできる仕事ってあるのかなと調べて、初めて「声優」という仕事を知りました。小学4年生くらいのときですね。でもそのときはまだ声優になりたいとまでは思っていませんでした。
中学2年生くらいのときに仲良くなったグループ、バスケ部だったんですが、その中の5〜6人がアニメが好きで、仲良くなっていくうちにアニメにも引き込まれていきました。それまでは夕方5時半のアニメしか観てなかったのが深夜アニメを観るようになり、そういえば小学生のときに「声優さんって良いな」と思ったのを思い出して、「やってみたい」って思いました。
ー 小学生くらいのときにやっていて役立っていることや、声優をめざしている子どもたちにアドバイスをいただけますか。
本当に声優ってすごいなと思うのは、なんでも仕事につながるんですよね。趣味とか特技もそうですし、経験した一つひとつのすべてがお芝居に直結するので、声優になりたいから声優の勉強しかしないというよりも、視野を広く持っていろいろなことに取り組んでもらえたらなと思います。でも、僕の立場でアドバイスなんて‥‥。
ー 子どもたちに一番近い立場で、小学生にとってはお兄さんくらいの年齢差ですから、大鈴さんの言葉は響くと思いますよ。
やっぱり何事も楽しんで取り組んでもらうっていうのが一番だと思います。そしてレッスンをするようになったら全力で努力して、自信を持って、たまには客観的に自分を見て何が足りないかとかを “考える”。やっぱり “考える” ことは大切ですね。
ー たくさんの子どもたちがこのアニメを観ると思います。“ここを観て!” というポイントを教えてください!
夢に向かう熱量が高く、人間ドラマも素敵な作品なので、どちらの部分にも注目してほしいですね。そしてサッカーの描写は特に気合の入ったものになっていると思うので、キャラクターにもサッカーにも、ぜひ注目してもらえたらなと思っています。
ー 福田監督の指導は、サッカーを上手になりたい子どもたちには勉強にもなりますよね。
技術的なことや戦術も描かれているのでサッカー好きなお子さんには参考になると思いますし、観ているだけで上手くなったような気持ちにもなっちゃいます(笑)。
テレビアニメ『アオアシ』は、2022年4月9日(土)から毎週土曜日18時25分に放送!
大鈴功起(おおすず こうき)
10月5日生まれ、東京都出身。
趣味:落語、ゲーム
特技:バスケットボール
2022年4月9日(土)放送開始! NHK Eテレにて毎週土曜日18時25分〜
アオアシ
常にサッカー漫画の最前線を走り続ける『アオアシ』が、ついに待望のテレビアニメーション化! 挫折、成長、友情、青春のすべてがここにある!
愛媛に暮らす中学生・青井葦人(アシト)は、弱小サッカー部のエース。中学最後の大会で負けた日、悔しさをぶつけるように海辺を走り込んでいた葦人は、試合を見ていた一人の男と出会う。
その男 ー 福田達也は、Jリーグ有数のクラブ「東京シティ・エスペリオンFC」で、高校生年代を育成する組織「ユースチーム」の監督だった。荒削りだが、ある特別な才能を持つ葦人に無限の可能性を見出した福田は、自らの野望を語り始める。
「俺には野望がある。俺の作り上げたクラブで、世界を掌中に収める。世界への踏み台じゃない。我がクラブこそが世界だと。その野望のすべてを担うもの、育成<ユース>だ。」
福田の誘いを受け入団試験<セレクション>を受けに上京することを決意する葦人だったがー。
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