子どもでも楽しめる?
迷い・さまよい・発見する
がコンセプトのミュージアム
2023年11月にオープンした話題のスポット「麻布台ヒルズ」。その一角には、お台場にあった人気のミュージアム「チームラボボーダレス」が移転し、名称も新たに「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス(以下、チームラボボーダレス)」として2024年2月にオープンしました。開館から5ヵ月連続でチケットが完売するほどの人気で、世界各地から多くの方が楽しみにきているようです。
麻布台ヒルズに移転しさらに進化したチームラボボーダレスは子どもたちも楽しむことができるのか、2024年6月24日(火)に開催されたメディアツアーに、5歳の息子と8歳の娘と一緒に行ってきました!
【レポート】2024年2月オープン! 麻布台ヒルズの「チームラボボーダレス」に行ってきた!
【施設紹介】森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス
チームラボボーダレスは、境界のないアート群による “地図のないミュージアム” 。アートはひとつの部屋にとどまらず、まるで生き物のように部屋から出て移動し、他の作品と影響しあい、時には混ざりあって連続するひとつの世界を生み出します。
“地図のないミュージアム” と謳っている通りミュージアムに順路はなく、入場者自身が好きな場所に好きな順番でアートを体験できるのが特徴です。しかし館内はとても暗く、先ほど見たアートをもう1回見たいと戻っても、なかなか同じ部屋に行けなかったり、同じ部屋にばかりたどり着いたりと、館内を迷いさまようこともしばしば。しかしそれはチームラボボーダレスのコンセプトのひとつ。迷った先でのアートとの偶然の出会いや発見をしてほしいという想いが込められています。
とどまると、そしてふれると
見えてくる “変化するアート”
おすすめの楽しみ方は、ひとつの部屋に入ったらアートを見ながら通過するのではなく、立ち止まって少なくとも10秒ほど待ってみること。チームラボボーダレスのアートは常に移動しているので、時間とともにアートが変化するのがわかります。アートはテーマから大きく変化することもあるので、ついつい見とれてしまい、その場から離れられなくなることも。
そしてぜひアートにはさわってみてください。人の介入によってアートにさまざまな変化が起こるのです!
※一部のアートにはふれることができないのでご注意ください。
たとえば最初の通路に現れる「境界のない群蝶 / Flutter of Butterflies Beyond Borders」では、色とりどりのチョウたちがどこかに向かって羽ばたいています。そして人がふれると、花びらのようにハラハラと散ってしまいます。映像とはわかっていても散っていくチョウを「かわいそう」と思うのですが、子どもにとっては好奇心の方が勝るようで、一生懸命羽ばたいているチョウに次々とふれて散らしていきました。
その先に続くメインの空間「人々のための岩に憑依する滝 / Universe of Water Particles on a Rock where People Gather」では、高い天井から流れ落ちる滝のようなアートが壁一面に現れています。
天地左右囲まれた圧巻のデジタルアートに私が気を取られている間に、子どもたちは小高い岩のようなオブジェを登り、壁面にそっとふれていました。しばらくすると、子どもたちがふれた場所から赤い花々が出現! 岩を登った軌跡にもいつの間にか花が咲いていました。自分のいる場所、ふれた場所からアートが生まれる。ふれる時間が長ければ長いほどアートは成長していきます。
なお「人々のための岩に憑依する滝 / Universe of Water Particles on a Rock where People Gather」にも、他の部屋からさまざまなアートがやってきます。何が見られるかはタイミング次第。常に変化し続けているため、同じものを見ることはできないのです。
お気に入りのアートを見つけて
追いかけてみよう!
もうひとつのおすすめの楽しみ方は、自分のお気に入りのアートを見つけて追いかけてみること。チームラボボーダレスのアートは一箇所にとどまらず、まるで意志を持っているかのように部屋から部屋へと移動するので、一緒に移動すると、お気に入りのアートが部屋ごとのコンセプトにあわせて変化する様子を楽しめます。
息子のお気に入りは「Walk, Walk, Walk: 探し、遠ざかり、また 出会う / Walk, Walk, Walk: Search, Deviate, Reunite」という作品で、鳥獣戯画のような動物たちが行列を成して歩き続けるアート。部屋を移動するたび、他のアートから影響を受けて違った姿を見せてくれます。そして「このウサギ、またいたよ!」と言ってウサギにタッチすると、なんとウサギがこっちを向きました!
小学生の娘は「反転無分別 – Black in White / Reversible Rotation – Black in White」という「書」の作品がお気に入りでした。書にふれると文字が消え、その漢字が意味するイメージが投影されるのです。クイズ感覚でアートをタッチして、まだ習っていない漢字も読めていました。
私のお気に入りは「追われるカラス、追うカラスも追われるカラス、そして衝突して咲いていく / Crows are Chased and the Chasing Crows are Destined to be Chased as well, Blossoming on Collision – Light in Space」。四方と下方がすべて映像に囲われたスペースに八咫烏が飛び回り、その軌跡が光跡となります。縦横無尽に飛び回る八咫烏に、見ているこちらの平衡感覚が奪われそうになります。
観るだけじゃない
五感をフル活用してアートに没入!
部屋によっては映像アートだけでなく、美しい造形物が用意された場所があります。「地形の記憶 / Memory of Topography」の部屋では分け入ることのできる高低差のある空間に、悠久な里山の景色が映し出されています。暗く狭い通路は子どもたちの冒険心をかき立て、親そっちのけでぐんぐん進んでいきます。まるで畦道を進むような光景はノスタルジーな感覚が味わえます。
「Bubble Universe: 光の球体結晶、ぷるんぷるんの光、環境が生む光 – ワンストローク / Bubble Universe: Spherical Crystallized Light, Wobbling Light, and Environmental Light – One Stroke」は無数の球体が浮かんだような部屋ですが、ここは娘の大のお気に入り。球体に人が近づくと反応して光り出し、その光が近くの球体に一筆書きのように伝播して次々に光りはじめます。球体に映り込んだ自分の姿や、たくさんの球体に囲まれる体験は非日常的で最高にワクワクさせてくれます。
そしてわが家の子どもたちの一番お気に入りのアートは「Infinite Crystal World」です。まばゆい光の点の集合で絵画表現を行うアートですが、部屋の奥には少し開けた場所があるので、ぜひその場所まで進んでください。
光の点が織りなす巨大なアートを一歩離れたところから眺めるもよし、光の前で歩くポーズをしたり、ジャンプしたりするだけで不思議な写真を撮ることができます。子どもたちは光のアートでテンションはMAXに!
一般的な美術館だとアートにふれるのは御法度なので、子どもについつい「さわっちゃダメ」「大人しくしていて」と言ってしまいがちですが、チームラボボーダレスではむしろどんどんさわって、自らアートに干渉するのが醍醐味です。
「見て! さわるとこんなふうに変わるよ!」「これさっき見たやつだ! 何してるんだろう?」など、大人が教える前に子ども自身がアートの変化やアート同士の関連性に気づいていたのは驚きです。小学生の娘はもちろん、未就学児の息子も大人の私よりもアートを感覚的に理解し、大いに楽しんでいました。
長期休みにもぴったりな
全天候型のアート体験
チームラボボーダレスは全天候型で季節や天候に関係なく楽しめるのも嬉しいところ。アート作品によっては強い光や音など刺激が強いものもあるので、お子さんの興味や体調にあわせて体験してみてください。
ちなみに館内は薄暗く、足元が見えにくいので歩きやすい靴がおすすめです。特に小さいお子さんはゴムサンダルなどを履いているとつまずきやすいので気をつけてください。さらに床が鏡になっている部屋があるので、パンツやロングスカートがおすすめです。白っぽいお洋服で行くと、全身にアートが映り込み写真映えしますよ。
チームラボボーダレスに用意されているアートは実に70作品以上。刻々と変化し続け、同じ空間でも通るたびに姿形を変えるアートは見飽きることがありません。子どもたちの好奇心を大いに刺激し、ひとつのアート作品で20分以上楽しむ姿も。ぜひ親子でアートのストーリーを話し合ってみたり、気づいたことをお子さんとシェアしたりして楽しんでくださいね。
(TEXT:Narumi)
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