特別展「昆虫MANIAC(昆虫マニアック)」体験レポート!

昆虫の不思議や魅力、驚きの多様性に迫る! 特別展「昆虫マニアック」レポートの写真

特別展「昆虫MANIAC」が2024年7月13日(土)〜10月14日(月・祝)まで国立科学博物館で開催! オープニングセレモニーに駆けつけた公式サポーターのアンガールズ 山根良顕さんと田中卓志さん

趣向を凝らした体験展示で
昆虫の不思議や魅力、驚きの多様性に迫る!

国立科学博物館の研究者による “マニアックな視点” と “マニアックな昆虫標本” に最新の昆虫研究を織り交ぜ、カブトムシやクワガタムシといったおなじみの昆虫はもちろん、クモやムカデなどを含む “ムシ(虫)” たちの不思議や魅力、そして驚きの多様性に迫る特別展「昆虫MANIAC(昆虫マニアック)」が、2024年7月13日(土)から開催!

開幕前日の7月12日(金)、監修を担当した研究者5名に加え、公式サポーターのアンガールズ 山根良顕さんと田中卓志さんも駆けつけ、オープニングセレモニーとスペシャルトークが披露されました。
※特別展「昆虫MANIAC」では、昆虫および昆虫をはじめとする陸生の節足動物を「ムシ(虫)」として扱っています。




特別展「昆虫MANIAC」の総合監修を務める国立科学博物館動物研究部陸生無脊椎動物研究グループ研究員 井手竜也先生は、「 “見る” だけでなく “聴く” “触る” “嗅ぐ” など、さまざまな趣向を凝らした体験できる展示になっています。(展覧会のタイトルに)“マニアック” と付いているので『大丈夫かな?』と思う方もいるかもしれませんが、ムシ好きな人も、そうでない人にも楽しんでもらえるようになっていると思いますので、ぜひご覧いただければと思います」と、自信をのぞかせました。

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左から清拓哉先生、野村周平先生、アンガールズ山根良顕さん、田中卓志さん、井手竜也先生、神保宇嗣先生、奥村賢一先生

監修を務めた先生方
井手竜也[総合監修、ハチ類]/国立科学博物館動物研究部陸生無脊椎動物研究グループ研究員
野村周平[コウチュウ類]/国立科学博物館動物研究部陸生無脊椎動物研究グループ長
神保宇嗣[チョウ・ガ類]/国立科学博物館動物研究部陸生無脊椎動物研究グループ研究主幹
清拓哉[トンボ類]/国立科学博物館動物研究部陸生無脊椎動物研究グループ研究主幹
奥村賢一[クモ類]/国立科学博物館動物研究部陸生無脊椎動物研究グループ研究員

アンガールズ田中さん、山根さんは
半分オスで半分メスのカブトムシ
221年ぶりの「素数ゼミ」で大盛り上がり!

ひと足先に展示を見学したアンガールズの2人は印象に残ったものとして、「生きているオオセンチコガネが展示されていて、ケース中央に置かれた動物のフンにむらがって、グアーッと頭を突っ込んでいる姿に笑っちゃいました」(田中さん)。

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生体展示されているオオセンチコガネ。さまざまな色のオオセンチコガネがいて、とてもきれい

「それと、半分オスで半分メスというギナンドロモルフ(雌雄型)にもびっくり! こういう機会でないと見られないものだと思いました」(田中さん)。「キレイなチョウや大きいサイズの昆虫の展示とか、すごく楽しいと思います! ウチの奥さんも大きなクモやゴキブリがすごく好きなので、連れてくればよかったなと思いました」(山根さん)と、展示のおもしろさをアピール。

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上段中央の一見メスっぽいカブトムシが、半分オスで半分メスのカブトムシ。国立科学博物館に寄贈されたときには生きていたため、ビデオ撮影も行われた

そして2人が盛り上がったのが「素数ゼミ」の展示。今年2月にアメリカで、13年、または17年で成虫になるセミが同じ年に羽化し大量発生するという事象が起きました。これは実に221年ぶりのこと! 今回の展示では研究チームによる現地取材の様子が追体験できるとともに、素数ゼミによる大音量の鳴き声を体験できるブースもあり、田中さんは「あのうるささも、普通に生きていたらなかなか体験できないですよ!」と興奮していました。

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今回の公式サポーターのオファーは、山根さんが番組で新種の昆虫(モトナリヒメコバネナガハネカクシ)を発見したことがきっかけ。「だから今回、俺は山根のバーターなんです」(田中さん)、「人生初だよね」(山根さん)、「バーターされるってこんなに楽しいんだと思いました!」(田中さん)、「ムシで言えば、寄生虫だね。普段は俺が寄生虫ですけど(笑)」(山根さん)と掛け合いも弾み、終始笑顔のお2人

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最後に司会者から「本展公式サポーターとしての意気込みと来場される方へのメッセージを、“昆虫になりきって” お願いします!」というムチャぶりが! 田中さんが得意の「カニ」に似たポーズをしながら「体感したり、見たりできるので、見に来たら楽しいよ! 僕たちが国立科学博物館で待っているよー!」と本展を紹介するも、「いや、おかしいでしょ! 俺たちが虫になりきるって」と山根さんが笑いながら即ツッコミ。和やかな空気で、オープニングトークは終幕しました

多様性に満ちた昆虫の世界を
多角的に楽しむ特別展

昆虫は地球上で報告されている生物種の半数以上となる約100万種を占める最大の生物群。そのほとんどは体長1センチにも満たない小さな生物ですが、体のつくりや行動、能力にいたるまで、驚くほどの多様性に満ちています。

特別展「昆虫MANIAC」では、国立科学博物館の研究者によるマニアックな視点、マニアックな昆虫標本、そして最新の昆虫研究を織り交ぜて展示を行い、普段はなかなか注目することが少ない「ムシ」たちの多彩な世界に迫っています。

会場内は3つのゾーンに分かれていますが、メインは5人のムシ博士が各専門ジャンルをマニアックに紹介するゾーン2。「トンボの扉」「ハチの扉」「チョウの扉」「クモの扉」「カブトムシの扉」があり、ムシ博士こだわりの展示が行われています。

“MANIAC(マニアック)” と銘打っているだけあり研究者の方のこだわりが見てとれるのが楽しい。しかも子どもたちにもわかりやすくするため展示は低め、解説の文字は大きくなっていて、全体的にスッキリした印象。

しかし、マニアックな視点ということで、やはりちゃんと解説を読んだり、音声ガイドを聞かないと、楽しさ、おもしろさは半減してしまう。ここは親御さんがフォローしたいところ。『キッズイベント』が5人の先生方に、それぞれの「扉」の見どころと、こだわりのポイントを聞いてきたので、ぜひ参考にしてください。

5人の監修の先生方の展示の
こだわりのポイントを紹介!

総合監修およびハチの扉
井手竜也先生

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各扉に巨大模型と集合標本展示を用意しました。巨大模型は身近な虫ではなくちょっとマニアックな虫で、しかも何かしら特徴的な形、行動をしているところを標本にしているので「何でこの形なんだろう?」と、興味を持つきっかけとしておもしろいものになっていると思います。

そして、とにかくお子さんが見やすいということにこだわりました。標本の位置も低めにし、解説の文字も大きく、簡潔にしています。

担当した「ハチの扉」については、中南米にしか生息していない「シタバチ」というきれいなハチを見てほしいですね。オスが花の香りを集めるという、世界中探してもシタバチの仲間だけというおもしろい生態を持っています。後ろ足のところにスポンジ状の構造があり、ここに花をこすって香りを移すんです。いろいろな香りを集めたオスはメスにモテやすいんです。そして、その香りを嗅ぐことができるようになっています。人にとって嫌な匂いでも、いろいろな匂いを集め、配合することで、よりメスにモテるようになります。

専門は “タマバチ” という、植物に卵を産みつけて虫こぶをつくるハチです。タマバチはもちろん、いろいろな種類の虫こぶを見ていただきたいと、2年くらいかけて標本をつくったので、ぜひ見てください。

そして、とても小さくて地味なんですが、世界で唯一 “跳ねる虫こぶ” として知られている虫こぶの標本、そして跳ねる様子の動画を展示しています。これは多分、日本初展示だと思います(笑)。そういうところがマニアックなんですね。

特別展「昆虫MANIAC」では、身近な虫のマニアックなところ、ほとんどの人が知らないマニアックな虫などを紹介しています。虫についてのいろいろなマニアックを知っていただき、虫の多様性のおもしろさを体感していただければと思っています。

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「ハチの扉」の展示スペース。巨大模型はエゾオナガバチで、卵を産む姿

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シタバチは光沢感のあるキレイな色のハチ。右側の写真は後ろ足のところにある花の香りをつけるスポンジ状の構造。ミツバチも足に花粉の玉「花粉団子」を付けますが、シタバチは体に集める構造がある。また花粉団子をつくるのはメス

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シタバチが集めた香りを嗅ぐことができる

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井手竜也先生がつくった虫こぶの標本。 “跳ねる虫こぶ” は、下段中央の丸いシャーレに入っているもので、日本初展示?

カブトムシの扉
野村周平先生

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「ギナンドロモルフ(雌雄型)」という、半分オスで半分メスのカブトムシやチョウの標本を展示しています。上段中央のカブトムシは国立科学博物館に寄贈されたときにはまだ生きていたので、その姿を撮影した動画や、CT画像も見ることができます。頭部はメス、その他はオスで、解剖したらオスの交尾器が出てきました。

「無名だけど面白すぎる甲虫の世界」も見どころです。とにかく小さな甲虫で肉眼ではなかなか見えないのですが、顕微鏡などで見るととてもユニークな姿をしています。

そして国立科学博物館には個人の方から標本のコレクションが寄贈されるのですが、どんな昆虫を集めているのか、どのように整理しているのか、みなさん人生をかけて標本をつくっているので、それぞれの人のポリシーがあり、その人の人生を反映しています。それが見えるようになってくると、非常におもしろいと思います。肉眼では見えないような小さな昆虫を集めて種ごとに分けて標本をつくったり、昆虫の世界はとても深くて、変な虫や変な研究者がいるということを知っていただければ(笑)。

ちなみに野村周平先生も体長1ミリほどの「アリヅカムシ」という小さな虫が専門。やはり共感するものがあるそうです。
【インタビュー】特別展「昆虫」(2018年開催)監修の野村周平先生インタビュー!

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「カブトムシの扉」の展示スペース。巨大模型はオオセンチコガネ

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半分オスで半分メスのカブトムシ。パッと見はメスだが、頭部にはオスの特徴である小さなツノがある

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チョウでもオスとメスが同居した個体が見つかることがある。左右でオスとメスが異なったり、下段右側は斜めでオスメスが分かれている

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「無名だけど面白すぎる甲虫の世界」で紹介している甲虫は小さすぎて肉眼ではほとんど見えません。虫っぽく見えているのは拡大した画像。虫眼鏡を持って行った方がいいかも(虫眼鏡でも見えないかも)

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個人のコレクターから寄贈された標本。この標本からその人の人生が見えるようになるには、かなり深く昆虫の世界に踏み込む必要がありそう

チョウの扉
神保宇嗣先生

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チョウやガの仲間のいろいろなマニアックを昼と夜などのキーワードでわかりやすく展示しています。“マニアック” と付いていますが、気楽に見ていただければと思います。

チョウやガの仲間って何種類くらいいるか知っていますか? と聞くと、「アゲハチョウ、モンシロチョウ、う〜ん‥‥」みたいな感じですが、実はもっといろいろな種類がいるということを、実物を見て体験してほしいですね。

一番わかりやすいのがこの集合展示で、日本のチョウの仲間は代表的なものが250種ほどいるんですが、その中の100種類くらいをグループごとにわけて展示しています。そして、ぜひ表と裏を見比べてください。表だけでなく裏も多様なんです。なぜこうなっているんだろうと興味を持っていただくことで、そこから世界が広がっていくと思います。

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「チョウの扉」の展示スペース。巨大模型はウスバキチョウ

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まずはこの集合標本の表と裏を見比べてほしいと神保宇嗣先生

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たくさんの同じ種類のチョウ中に1匹だけ別の種類がいるクイズ。擬態ではなく、近い種類だが食べるものが異なることで、最近になって種類がわかれたそう

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幼虫のゾーンでは、芋虫、毛虫、尺取り虫を実物と写真で紹介

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ミノムシもたくさんの種類がいるということがわかる標本と、植物の葉の中に潜り込み葉の内部を食べて育つ ”字書き虫“ の標本も展示

トンボの扉
清拓哉先生

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不完全変態昆虫と言われるバッタやカマキリ、ナナフシ、セミなども展示していますが、多くの人が苦手なゴキブリも気合を入れて用意したので、ぜひ楽しんでいただければと思います。

ゴキブリと言うと嫌な人もいると思いますが、色がきれいで、山の中できれいな水のあるところに暮らすきれい好きなルリゴキブリも紹介しています。世界中にいるんですが、日本では鹿児島や沖縄で、ここ5年で3種類くらいの新種が見つかっています。こんな、ちょっとおしゃれなゴキブリも日本にはいるんだよ、ということを知ってもらいたいですね。

また、トンボの翅(はね)の網目模様を翅脈(しみゃく)と言いますが、翅脈には1本1本名前がついていて、翅脈を調べることでトンボの種類がわかりますと、清拓哉先生。まさにマニアック!

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「トンボの扉」の展示スペース。巨大模型はギンヤンマのヤゴの捕食シーン

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ゴキブリなので小さめに写真を掲載。下段の標本にルリゴキブリがいます

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頭を入れると、素数ゼミの鳴き声を体感できます

クモの扉
奥村賢一先生

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昆虫以外の虫として、クモなどの陸生の節足動物、ムカデ、ヤスデ、サソリ、ダニなど、普段あまり注目されないような虫もいろいろと紹介しています。これこそまさにマニアックかなと思っています。

子どもならやはりダンゴムシを見てほしいですね。どれがダンゴムシかクイズになっていて、同じく体を丸めるよく似た昆虫がいます。ひとつは最近新種として記載された琵琶湖の付近にいるヤスデなんです。

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「クモの扉」の展示スペース。巨大模型はオオナガトゲグモ

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ダンゴムシがどれかわかるかな?

特別展「昆虫MANIAC」は、2024年10月14日(月・祝)まで国立科学博物館で開催!

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ショップではオオセンチコガネやオオナガトゲグモなどのぬいぐるみを販売

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公式サポーターのアンガールズ 山根良顕さんと田中卓志さんもかけていたムシメガネ

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ムシメガネをかけたアンガールズ 山根良顕さん

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昆虫食品も販売。アレルギーのある方はご注意ください



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